近年、家族の介護に関わる方々にとって、「休むこと」の大切さが見直されるようになってきました。
その中でも注目されているのが、「レスパイトケア」という支援サービスです。
介護は、される側にも、介護をする側にも身体的・精神的な負担が非常に大きくなる傾向があります。
レスパイトケアとは?
レスパイトケア(Respite care)とは、介護を担っているご家族が一時的に介護から離れて、休息を取るための支援サービスのことです。
主に、介護が長期化している場合や、家族の健康状態に不安があるときに利用されます。
目的と利点
- 介護者の心身のリフレッシュ
- 介護疲れや共倒れの予防
- 家族関係の維持
レスパイトケアの主なサービス
以下のような形で提供されることが多く、介護保険の適用を受けることができます。
ショートステイ(短期入所生活介護)
要介護者が介護施設に数日間宿泊するサービスです。
旅行や急な外出、休養などの際に適しています。
デイサービス(通所介護)
日中の一定時間、施設に通ってもらう日帰り型のサービスです。
介護者が日中働いている場合や、少しだけ休息したいときに便利です。
ホームヘルパーの訪問介護
必要なときに介護スタッフが自宅を訪問し、日常的な介助や家事などを行ってくれます。
利用のポイント
レスパイトケアを上手に活用するには、次のような準備が大切です。
ニーズの明確化
- どのタイミングで、どのくらいの期間が必要か
- 要介護者の状態に合ったサービスは何か
施設・サービスの選定
- 信頼できる事業所を調べておく
- 実際の見学や、ケアマネジャーへ相談してみる
事前の話し合い
- 介護を受ける方の理解と安心感がとても大切
- 本人や家族としっかりと情報共有を行う
利用による効果
介護者の心と体のリフレッシュ
毎日気を張っている介護者が一時的に離れることで、疲労やストレスが軽減され、健康を維持できます。
介護の質の向上
リフレッシュした後の再開では、気持ちにゆとりが生まれ、より丁寧な介護ができるようになります。
社会とのつながりを保てる
レスパイトの時間を使って、友人と会ったり趣味を楽しんだりすることが、孤立感の予防につながります。
誰かを支え続けるには、支える側の心身も大切に
介護は長い時間をかけて続くことも多いため、「頑張り過ぎないこと」「無理して我慢しないこと」がとても大切です。
レスパイトケアは、介護を続けていくための前向きな休息です。
介護する人が倒れてしまっては、支えられる側も困ってしまいます。
ご自身の健康を守るためにも、適切なタイミングで休息を取りましょう。
地域の福祉窓口やケアマネジャーに相談すれば、レスパイトケアの利用方法や制度について詳しく教えてもらえます。
介護をしていて疲れを感じた時は、レスパイトケアの利用を考えてみてはいかがでしょうか。
ちなみに福岡市では
福岡市では、令和5年9月から令和8年3月31日まで、医療保険の適用を超える自宅利用や医療保険の適用外となる自宅以外での訪問看護を提供する、「福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業」の「サービス内容」と「利用可能時間」を拡充しています。
こちらの利用対象者は、医療的ケア児の家族となっています。
「医療的ケア児」については、以下の要件の全てに該当されることとしています。
- 福岡市内に住所を有すること。
- 0歳から18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にあること。
- 在宅で同居の障がい児等の保護者または障がい児等の介護を行うものによる介護を受けて生活していること。
- 医師の訪問看護指示書による医療的ケアを必要としていること。
- 訪問看護により医療的ケアを受けていること。
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。
参考・引用元:福岡市役所こども未来局 子育て支援部 こども発達支援課「福岡市医療的ケア児在宅レスパイト事業の利用について」
814-0022
福岡県福岡市早良区原6丁目23番18号
電話番号:092-852-9910
受付時間:平日9:00~17:00
土 9:00~14:00

