地域ケアシステムと地域包括ケアシステムの違い

利用者様へ

地域ケアシステムと地域包括ケアシステムの違いとは?

近年、高齢化の進行にともない「地域包括ケアシステム」という言葉をよく耳にするようになりました。
一方で、似たような言葉に「地域ケアシステム」もあり、混同されることがあります。

今回は、この2つの言葉の違いと、それぞれの役割についてわかりやすくご紹介します。


地域ケアシステムとは?

「地域ケアシステム」は、地域で暮らす人々が、支え合いながら生活するためのネットワークや仕組みのことを指します。
特に高齢者や障がい者、要支援の方々が、地域の中で安心して暮らせるようにすることを目的としています。

具体的には、以下のような取り組みが含まれます。

  • 地域のボランティア団体や自治会による見守り活動
  • 高齢者向けの交流スペースの運営
  • 民間の福祉サービスとの連携 など

つまり、「地域ケアシステム」は、地域の住民同士のつながりや、自主的な助け合い活動が中心の仕組みといえます。


地域包括ケアシステムとは?

一方で「地域包括ケアシステム」は、国が政策として推進している制度的な枠組みです。

高齢者が住み慣れた地域で、自分らしく最期まで暮らしていけるように、「医療・介護・予防・住まい・生活支援」の5つのサービスを一体的に提供することを目的としています。

厚生労働省が掲げる構想であり、2025年を目標に全国の自治体で整備が進められています。

主な特徴は以下の通りです。

  • 専門職(医師・看護師・ケアマネジャー・社会福祉士など)の連携
  • 地域包括支援センターの設置
  • 在宅医療と介護サービスの統合的提供
  • 自治体による制度整備と支援の強化

「地域包括ケアシステム」は、医療や福祉の専門職と行政が連携し、制度として支えるケア体制であることが大きな違いです。


2つの違い

項目地域ケアシステム地域包括ケアシステム
主体地域住民・民間団体国・自治体・専門職
特徴地域の助け合い・支え合い制度化された包括的支援
対象高齢者・障がい者など生活弱者全般高齢者(特に後期高齢者)中心
目的地域の中で安心して暮らす自立した生活の継続と在宅支援

どちらも大切な「地域の支え合い」

どちらか一方が大事というわけではなく、両者が連携・補完し合うことが大切です。

地域ケアシステムが「人と人のつながり」で心の支えをつくり、
地域包括ケアシステムが「制度と専門職の連携」で暮らしの土台を支える。

この2つがうまくかみ合うことで、高齢者が孤立せずに安心して暮らせる地域社会が実現します。


まとめ

「地域ケアシステム」と「地域包括ケアシステム」は似ているようで、役割や成り立ちが異なります。

  • 地域ケアシステム:地域住民の自主的な支え合い
  • 地域包括ケアシステム:国の制度に基づく包括的な支援体制

それぞれが持つ特性を理解し、自分たちの地域でどんな支援が行われているのかを知ることが、安心した暮らしへの第一歩となります。

地域で暮らす誰もが、必要なときに必要な支援を受けられる社会を、みんなで作っていきましょう。

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