5月22日は「ほじょ犬の日」。
この記念日は、2002年5月22日に「身体障害者補助犬法」が成立したことをきっかけに制定されました。
しかし、「ほじょ犬」と聞いて、すぐにその意味や役割が思い浮かぶ方はまだ少ないかもしれません。
この記事では、「ほじょ犬とは何か」「法律で何が定められているのか」そして「今の社会に何が求められているのか」をわかりやすく紹介します。
補助犬とは?
「身体障害者補助犬」は、障害のある方の生活をサポートするために特別な訓練を受けた犬のことです。
補助犬には、次の3種類があります。
- 盲導犬(もうどうけん)
視覚障害のある方が安全に歩行できるようサポートします。 - 介助犬(かいじょけん)
手足が不自由な方の代わりに、落とした物を拾う、ドアを開ける、電気のスイッチを押すなど、さまざまな動作を補助します。 - 聴導犬(ちょうどうけん)
聴覚障害のある方に、インターホンや目覚まし時計、車のクラクションなど、生活に必要な音を知らせます。
どの犬も、使用者にとっては“補助具”であると同時に、大切なパートナーでもあります。
補助犬を守る「身体障害者補助犬法」とは
2002年に成立した「身体障害者補助犬法」では、補助犬の同伴を法的に認め、施設や交通機関などが補助犬を受け入れる義務があることを定めています。
たとえば、飲食店、ホテル、病院、百貨店、バスや電車などの公共機関で、補助犬の同伴を断ることは法律違反になります。
補助犬は厳しい訓練を受けており、清潔さやマナーも徹底されています。
「ペットではなく、体の一部」として認識されるべき存在なのです。
それでも残る、理解不足の現実
法律が施行されてから20年以上が経ちましたが、現場ではまだ「犬は入れません」と断られる事例もあります。
中には、補助犬に触れようとしたり、写真を撮ろうとするなど、悪気のない行動が使用者にとって大きなストレスになることも。
こうした背景には、**「補助犬の存在や役割について知られていない」**という問題があります。
社会の意識を変えるためには、まず「正しく知ること」から始まります。
私たちにできること
補助犬を見かけたとき、私たちができることは多くありませんが、とても重要です。
- 声をかけたり、触ったり、写真を撮ったりしない
- 一緒にいる方に不必要な注目を向けない
- 「この犬は仕事中なんだ」と理解して、そっと見守る
それだけで、補助犬とその使用者は安心して社会の中で生活することができます。
最後に
「ほじょ犬の日」は、ただの記念日ではありません。
障害のある方が、補助犬と一緒に社会の中で当たり前に暮らしていける未来を考える日です。
この日をきっかけに、補助犬や身体障害者補助犬法について知り、広めていくことが、やさしい社会づくりにつながっていきます。
誰もが安心して暮らせる社会を目指して。
まずは、知ることから始めてみませんか?

