~似ているようで違う、働くにまつわる2つの言葉~
「就労」と「就職」、どちらも“働く”ことに関係する言葉ですが、実は意味にははっきりとした違いがあります。
福祉の現場や支援制度の中でも、使い分けがとても重要になる言葉です。
今回は、そんな「就労」と「就職」の違いについて、わかりやすくまとめてみました。
✅「就職」とは?
「就職」とは、企業や団体などの組織に採用されて働き始めることを意味します。
たとえば、就職活動をして会社の面接を受け、採用されて入社した瞬間が「就職」になります。
- 就職活動(いわゆる“就活”)
- 新卒の就職先
- 就職内定 などの言葉でも使われていますね。
つまり、「就職」はスタート地点を指す言葉です。
✅「就労」とは?
一方、「就労」とは実際に働いている状態そのものを指します。
会社に入社して、日々仕事をしているという状態が「就労」です。
つまり、「就職」は“働き始めること”、“就労”は“働いていること”です。
就職していなくても、たとえば福祉事業所で作業をして工賃を得ている人も「就労」しているといえます。
📌 支援の場面での使い分け
この2つの言葉は、就労支援や福祉サービスの中でもよく使われています。
🟠 就職支援
企業に入社するまでの支援を指します。
求人の紹介、応募書類の作成サポート、面接練習などが含まれます。
🟢 就労支援
実際に働くために必要なスキルや生活リズムの安定を支えるもの。
入社後の職場定着支援や、B型事業所などでの作業訓練などが該当します。
B型事業所のような就労支援の場では…
- 今すぐ就職は難しいけど、少しずつ働く準備がしたい
- 自分に合ったペースで働く練習をしたい
- 生活のリズムを整えながらスキルを身につけたい
そんな方を対象に、“就労”の土台づくりを行っています。
まとめ
- 就職=会社などに「入ること」
- 就労=実際に「働いていること」
この違いを知っておくと、自分に必要な支援がどんなものなのかも見えてきます。
「今は就職じゃなくてもいい。まずは“働く感覚”から」
そんな選択肢があることを、ぜひ知ってもらえたらうれしいです。

