双極症という生き方:(5)持続可能なセルフケアを探す

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このブログ記事は、私自身の経験に基づいた個人的な見解です。

双極症という生き方:第5部 持続可能なセルフケアの探求

これまで、双極症と向き合いながら、自己理解や仕事、人間関係について考えてきました。最後の第5部では、あくまでも私の経験ですが、私が実践しているセルフケアについて共有します。

1. データを活用するセルフケア:自分を知る羅針盤

双極症と長く付き合ううえで、感情や体調の波を客観的に見つめることは、とても大切だと私は感じています。そこで役立つのが、デジタルツールでの記録です。自分の傾向を知る手がかりとして、私自身も日々活用しています。

  • 気分記録アプリ「Daylio」と睡眠データ: 毎日簡単に気分を記録できるアプリや、スマートウォッチでの睡眠データは、気分の波や、それに影響する活動・睡眠パターンを把握するのに役立ちます。もちろん、自己判断で薬を変えることはせず、診察時に医師に見せて治療の参考にしています。主治医の先生も「こうしたデータがあると薬の調整に役立つ」とおっしゃっていました。私は「Daylio」という気分記録アプリを使っていて、5段階の評価機能(「すごく良い」「良い」「普通」「悪い」「すごく悪い」)を使って、その日の気分を手軽に記録しています。さらに、簡単なスタンプを添えれば、なぜその気分になったのかも後から見返せます。この記録を長期的に続けると、面白い発見があります。例えば、毎年決まった季節や、決まった曜日に気分の波が強くなる、といった傾向が見えてくることがあります。この「季節性や曜日の変動」を事前に予測できると、医師と相談して、症状が悪化する前に薬の調整や対策を立てることが可能になります。私はGalaxy Watchで睡眠トラッキングを行い、そのデータも診察時に報告しています。睡眠トラッキングでは、入眠した時刻、睡眠時間、そして起床した時刻が自動で記録されるため、自分の睡眠パターンを客観的に把握するのにとても役立ちます。アップルウォッチなどでも同じように活用できると思います。紙の日記は挫折してしまいましたが、その代わりとしてアプリやスマートウォッチを活用しています。特にうつ状態のときは継続が難しく、記録が途切れがちになってしまうこともありましたが、デジタルツールを使うことで、気負わずに記録を続けられるようになりました。続けやすくする工夫としては、寝る前の数分だけ記録する習慣をつけています。記録ができていないときは記録ができない状態だったと割り切るようにしています。こうした小さな工夫で、うつの波が来ても気負わずに続けやすくなります。記録は完璧でなくても大丈夫。自分のペースで少しずつ取り入れることが長く続けるコツです。
  • 体重の記録: 気分の波を把握する上で、体の変化にも目を向けています。特に長期的な体重の記録は、食行動に影響する躁状態やうつ状態を早期に察知するヒントにもなります。 これも続けられるように、体重計に乗ったら自動でスマートフォンに記録してくれるタイプが、少々お値段は張るけどおススメです。

2. 生活のリズムを整える:心身の基盤づくり

データを記録して自分の傾向が見えてきたら、生活習慣を少しずつ整えることが、心の安定に直結します。私の場合、まず意識しているのは睡眠のリズムです。毎日ほぼ同じ時間に起き、寝ることを心がけています。不規則な睡眠が続くと、体だけでなく心にも小さなストレスが積み重なって、気分の波が大きくなるのを感じます。だからこそ、睡眠のリズムを整えることは、私にとって「心の安定のスイッチ」のような存在です。

散歩も、心を落ち着かせる大切な時間です。ただ歩くだけでは義務感が強く、続かないこともあります。私はピクミンブルームというスマホの位置情報ゲームを取り入れて、「歩くこと」を楽しみに変えました。 ゲームの進行が歩数と連動しているので、自然と外に出たくなります。歩きながら空を見上げたり、季節の花に気づいたりする時間は、心を整えるちょっとした贅沢でもあります。ただし、よそ見には注意してくださいね。電柱にぶつかるかもしれませんから!

3. 人とのつながり:安心して心を開ける居場所

双極症と向き合うとき、心の健康を一人で管理するには限界があります。孤独は気分の波を増幅させることがあると実感しています。だから私は、信頼できる人とのつながりを大切にしています。

治療には様々な選択肢があり、医師との診察が基本となりますが、私にとっては精神科の訪問看護師さんも大きな助けとなりました。すべての人に必要とは限りませんが、個人的には体調の小さな変化に気づいてくれたり、生活全般のアドバイスをくれる存在は、本当に心強かったです。調子が良いときには、ただのお話し相手として割り切ることもあります。診察だけでは伝えきれない不安や疑問を、気軽に話せるのは大きな安心につながりました。

少し変わった方法ですが、私はスナックのママに話を聞いてもらうこともあります(笑)。私の場合、ソフトドリンクだけでも快く話を聞いてくれるママのいるお店を見つけました。ママはただ黙って聞いてくれるだけでなく、自分の愚痴も話してくれるので、自然に心を開けます。こうした「安心して自己開示できる場所」が、精神的な安定にどれほど役立つかは、経験した人でなければ分からないかもしれません。読者のみなさんも、ご自分に合った居場所をみつけられるといいですね。

4. 治療と向き合う:自己判断を避け、信頼関係を大切に

双極症の治療は、薬物療法と非薬物療法の組み合わせが基本です。お薬は心の波を安定させる大切な土台ですから、もし中断を考えるようなときでも、ご自身の判断だけでストップするのではなく、ぜひ主治医とよく相談しながら進めていただけたらと思います。

私にとって、治療に向き合うというのは、お薬を飲むだけではなく、自分の状態に目を向けて、小さな変化に気づき、主治医の先生と一緒にどうするのが一番良いかを探っていくことだと思っています。そうした積み重ねが、心の安定や生活の質につながっていくのかもしれません。

日常の小さな習慣が長く向き合う力になる

双極症のセルフケアは特別なことではなく、日々の小さな習慣を積み重ねることが大切です。データを記録して自分を知ること、生活リズムを整えること、人とのつながりを持つこと、そして治療に真摯に向き合うこと。これらが私にとって、心の安定の土台となっています。

完璧にできなくても構いません。自分に合った方法を見つけ、少しずつ続けることが、双極症と長く向き合うための大切な力になります。このブログが、あなたの心に少しでも安心や光を届けられたら、嬉しいです。

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