いつもは障害について、制度についてのブログ記事が多いのですが、今日は話題をガラッと変えて、意外と知られていない世界の超健康料理「オランダ料理」について調べてみましたので記事にします。
オランダ料理と聞くと、「チーズ」や「フライドポテト(フリッツ)」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実はオランダの伝統的な食卓は、「塩分控えめ」「シンプル」「時間をかけない」という、現代の私たちが最も求めている要素が詰まった、非常に合理的な健康食の宝庫なのです。
派手さはありませんが、その質実剛健な食文化の裏には、持続可能な未来を見据えた知恵と、家族との時間を大切にする精神が隠されています。今回は、あまり知られていないオランダの食文化を掘り下げ、その健康的な秘訣と、心の安定へのつながりを探ります。
1. 究極の合理性:「昼は冷たい食事」の食文化
オランダの食生活の最大の特徴は、食事にかける「時間」の配分にあります。日本の多くの家庭が夕食をメインに温かい料理を作るのに対し、オランダでは昼食と夕食の役割が明確に分かれています。
ドイツにも共通する「コールドミール」の知恵
オランダでは、昼食(Lunch)は基本的に「Koude maaltijd(冷たい食事)」で済ませます。これはドイツの「Kaltes Essen(カルトエッセン)」の文化と非常に似ており、調理に火を使いません。
テーブルに並ぶのは、全粒粉のパン、豊富なチーズ、ハムやソーセージ、そしてトマトやキュウリなどの野菜。各自が好きなものをパンに挟んで食べるスタイルです。
- 健康メリット:
- 塩分・油分を控えやすい:調理工程がないため、味付けはパンに塗るバターやスプレッドが中心となり、油分や塩分が過剰になりにくいです。
- 消化の負担軽減:昼間に重い食事を摂らないことで、消化器官への負担が少なく、午後の活動に集中しやすいというメリットがあります。
- 合理性メリット:
- 時間と労力の節約:昼食の準備は食材を切って並べるだけ。忙しい共働き世帯や、心身のエネルギーを温存したい人にとって、調理の負担を大幅に軽減します。
この合理性は、オランダ人が「Gezellig(ヘゼリヒ)」という「居心地の良い時間」を大切にする精神に基づいています。美味しいものを追い求めるよりも、準備に時間をかけず、家族や友人とゆったりと過ごす時間こそが重要だと考えているのです。
2. 伝統料理の土台は「芋・豆・野菜」
オランダの伝統的な温かい料理は、そのシンプルさゆえに、現代の栄養学から見ても非常に優れています。
ソウルフード「スタンポット(Stamppot)」
オランダの冬の定番料理「スタンポット」は、「つぶした鍋」という意味。じゃがいもと、ケール、ニンジン、エンダイブなどの葉物野菜を一緒に茹でてつぶし、そこにソーセージを添えた料理です。
- 食物繊維の宝庫: じゃがいもと大量の野菜が主役であるため、食物繊維が豊富で腹持ちが良く、腸内環境を整えるのに役立ちます。
- シンプルな味付け: 味付けは基本的に塩、コショウ、そして少量のバターや牛乳のみ。食材本来の味を活かすため、塩分過多になりにくいのが特徴です。
- 超時短調理: 一度に大量に作って温め直すことが前提の料理であるため、毎日手間をかける必要がありません。
濃厚なのに健康的「エルテンスープ(Erwtensoep)」
もう一つの伝統的な冬の料理が「エルテンスープ」、濃厚なエンドウ豆のスープです。豆がベースであるため、植物性タンパク質が豊富で、肉は風味付けとして加える程度です。豆と野菜を形がなくなるまで煮込むため、栄養がまるごと摂取でき、これ一杯で体が温まり、栄養バランスも取れます。
3. 健康と未来を両立する「サステナブルな食」
オランダの健康志向は、個人の健康だけでなく、地球環境にも向けられています。
オランダでは、国の食事ガイドラインで「植物性食品中心の食生活」が強く推奨されています。これは、野菜、果物、全粒穀物、豆類を増やすことが、心臓病などのリスクを減らすだけでなく、赤肉や加工肉の消費を減らすことで環境負荷を低減できるという、サステナビリティ(持続可能性)の視点を取り入れているからです。
「健康的であること=環境にも優しいこと」という考え方が、国のガイドラインとして浸透しているのです。
まとめ:オランダの食卓から学ぶこと
オランダの食卓は、決して豪華ではありませんが、「無駄を省き、大切なものに時間を費やす」という彼らの価値観が色濃く反映されています。
「夕食に火を使わない」「大量に作って温め直す」「味付けはシンプルに」――こうした合理的な食習慣は、忙しい現代の私たちにとって、心のゆとりと体の健康、そして手間いらずの継続的な食生活をもたらすヒントに満ちています。
食の面から健康を考える事は、精神の安定にもつながります。 完璧な料理を目指すのではなく、健康のために無理をしない「質実剛健な食生活」を取り入れることは、自己肯定感を高め、心の安定にもつながるはずです。

